爽やかな月曜の朝。
新米警察官の田中洋平は自転車に乗って、港をパトロールしていた。
ん? 不審な車が……と洋平は海に向かってとまっている大きなセダンを見つめる。
自転車から降り、近寄っていった。
中を覗くと、二人の男女が眠っている。
なんだ、カップルか、と思ったが。
運転席と助手席で眠る二人の手は、古いロープで縛られていた。
何故か、女の反対側の手首にはもうひとつのロープがつながっていて、黒い瓶がその先に縛り付けられていたが。
洋平は、祖父に聞いた昔の心中話を思い出していた。
波に揉まれても離れ離れにならないように、お互いの手首を紐で結び合い、海に飛び込んだりしていたと。



