OL 万千湖さんのささやかなる野望

 そんなこんなで呑んでるうちに、だんだんいい感じに酔ってきた。

「課長、課長。
 さっきのつるべじゃないんですけど。

 シャンパン、紐でしばって、よく冷えたこの秋の海におろしておいたら冷えるかもですよ。

 冷たい波に揺られて、と提案してみたが、駿佑は横目に万千湖を見ながらケチをつけてくる。

「紐がほどけて落ちるか。
 お前がシャンパンごと落ちていくか。

 どちらかの未来しか見えてこないが」

 だが、
「大丈夫ですよ~」
といつものように根拠もなく万千湖は言った。

「ここになんか、いい感じのロープがっ」
と海辺でよく見る古いささくれた感じのロープを手にした。

 つかむと、ちょっと手が痛い。

 これで縛りましょう、と万千湖は車に戻ろうとする。