OL 万千湖さんのささやかなる野望

 だが、地元に好感を持ってもらって嬉しく、万千湖はもう少し語ってみた。

「昔ながらのこう、共同井戸の前にみんなで集まって井戸端会議をするような」

 うまく土地柄を表した表現ではあったが。
 ……なに時代だ、と言われそうなことを言ってしまう。

「そんな、こう……
 みんなが朝顔につるべ取られて、もらい水みたいな」

 そんな万千湖の適当な妄想に駿佑が鋭く突っ込んでくる。

「共同井戸じゃなかったのか。

 共同井戸のつるべに朝顔が絡んで、他の共同体の井戸に水をもらいにみんなで行ったのか。

 それか、それぞれの家にも井戸があったのか。
 各家のつるべがとられて、もらい水って、お前の町は、どんだけ朝顔が繁殖してるんだ。

 学校帰りに、もらった朝顔のタネを()いて歩く小学生でもいたのか。
 テロか」

「……物の例えなんで」

 冷静に検証してみないでください……と万千湖は言った。