OL 万千湖さんのささやかなる野望

「いや、完全に分離した二世帯なんだよな、と思って」

 はあ、と言うと、
「俺とお前で住むのもアリかなと思って」
と言う。

「……そうですね。
 同じマンション内の別の家みたいになりますもんね」

 だがしかし、のちのち困るのでは。

 それぞれが結婚とかしたらどうなるのだろう。

 まあ、完全に独立した別の世帯だし。

 上下でご近所さん、みたいな感じで、いいのか?

 いやいや、しかし……と迷いながら、

「でも、そういえば、土地も買わなきゃいけないですよね」
と万千湖は言った。

 山の方に行けば安いだろうが、会社に遠くなるので、車がいる。

 いや、幾らか払って課長に送ってもらうという手もあるのだが。

 実家なら、今の家を壊して建て替えるそうなので、土地の心配はなかったのだが……。

 そのとき、
「土地ならあるぞ」
と駿佑が言った。

「え?」