住宅メーカーの事務所は万千湖たちが当たったのとは別のモデルハウスの横にあった。
珈琲をいただきながら、ざっくり説明を受ける。
他の経費とかもかかるし。
結構お金かかりますね、と万千湖は駿佑に目で訴えた。
駿佑はなにも訴えてはこなかった。
万千湖に言ったところで、なにも解決などしそうにないからだろう。
「まだ話してみなければわかりませんが。
彼女の実家にこの家を、と思っているのですが。
大丈夫ですか?」
当たった権利を譲渡できるのかを訊いているようだ。
「大丈夫ですよ。
奥様の方のご家族がご一緒に住まわれるのですね」
と営業の清水という好青年がにこやかに言ってくる。
……そういえば、この家、二世帯だったな。



