OL 万千湖さんのささやかなる野望

「ここで終わりですよっ。
 当たったんですよ、課長っ。

 あのモデルハウスッ」

 もう一度、駿佑が番号を見たとき、駿佑の携帯が鳴った。

「ご当選おめでとうございます、小鳥遊様」

 営業の人と会う約束をして切った駿佑がこちらを見て言う。

「……なんで当たったんだろうな」

 いや、なんでって言われても……と思いながらも万千湖は言った。

「私は当たると思ってましたよ。
 だって、23230ですからね。

 ニーサン、ニーサン、オー!ですよ」

 だからなんだ? という顔で駿佑が見た。

「この番号を見たとき、兄さん、兄さん、当たってますよっ、と課長が呼ばれ。
 オー! と驚く姿が見えたんですっ」

「俺はオー、とか言わないが……」

「ありがとうございますっ、七福神様っ」
とまるで聞いていない万千湖はマンションの方角に向かって祈り。

 駿佑はマイペースに、
「住宅メーカーに行く前になにか飲もう」
と予定通りレストランの駐車場に車を入れ直す。