OL 万千湖さんのささやかなる野望

「そういえば、冷蔵庫」
と言い出したので、さっき、万千湖からの連絡を待っていないフリをしようと、意味もなく冷蔵庫まで歩いていったことを見透かされた気分になったが。

 もちろん、万千湖は超能力者ではなかった。

「冷蔵庫って、ときどき、とんでもないものが入ってますよね~」

 入ってそうだな。
 お前の冷蔵庫には……。

「入ってますよねって、お前が入れてるんだろ、それ」

「そうなんですよ~。
 いや~、この間なんて、急いでてノートパソコンを洗濯機に入れかけて」

 もうびっくりしました~と万千湖は笑うが。

 冷蔵庫の話ですら、ないようだが……と駿佑は思っていた。

 まあ、万千湖の中では、すべてがひとつなのだろう。

 冷蔵庫に、まつぼっくりかなにかをうっかり突っ込むことも。

 ノートパソコンを洗濯機に突っ込むことも。

 まつぼっくり、と思ったのは、この間、部屋にまつぼっくりが何故か落ちていたと聞いたからなのだが。

 社内で会うことはあまりないのだが。
 仕事から帰ったあと、時折、そんなしょうもない会話をしながら、二人は日曜日を迎えた。