OL 万千湖さんのささやかなる野望

 


 みんなとお弁当を食べ終わったあと、万千湖は軽くお弁当箱を洗っておこうかな、と思った。

 瑠美も誘おうかと思ったのだが、化粧を直しに行くと言って、すでに消えてしまっていた。

 るるるるる~と鼻歌歌いながら給湯室でお弁当箱を洗っていたが、ふいに背後に人の気配を感じた。

「お疲れ様です。
 すみません。すぐすみます」
と相手が誰かも確認せずに詫びながら振り向く。

 背後には、何故か、赤いマイコップを手に目を閉じている雁夜がいた。

 なにしてるんですか、課長、と思い、見つめていると、ようやく目を開けた雁夜が、
「ああ、お疲れ」
と言う。

 雁夜の目は万千湖のカラのお弁当箱を見ていた。

 その視線を追った万千湖は、
「……すみません。
 今日はもう食べてしまいました」
となんとなく謝る。

 いやいやいや、と雁夜は笑って言った。

「単に、ちゃんとすぐ洗ったりするんだ~と思って見てただけ」

 いや、私、どんなイメージなんですか……。