OL 万千湖さんのささやかなる野望

「元気そうだったよ」
とそこだけは本当に嬉しく、付け加えたが、母は、

「サヤカちゃん、普通の可愛いお嫁さんになりたいって言ってなかった?」
と言ってくる。

 万千湖は、ははは、と笑い、
「司会とかやってても、別に普通になれるよ、お嫁さん」
と言って、電話を切った。

 ……自分達が仕事を辞めても、みんなをグイグイ引っ張ってくれてたサヤカだけは続けると思っていたのに。

 万千湖は七福神に向かって手を合わせる。

「サヤカさんに、より良い未来が訪れますように」

 ついでに、宝くじも当たりますように。

 宝くじのことを置き場に困る大金、と言っていたが。

 玄関に置くといいらしい七福神の前に置いてしまったので、ものすごい目立つ位置になってしまった。

 泥棒が入って、

 お、入ってすぐのところにいいものが、ってこれだけ持ってちゃったりしたらどうしよう、と心配になる。

「当たらない宝くじ持って逃げられるだけで済むのならいいじゃない」
と瑠美なら言ってきそうだったが。