OL 万千湖さんのささやかなる野望

 万千湖と瑠美は並んで歩きながら、ふたりで仲良さげに揉めている。

「付き合いなさいよ、第一日曜日~っ」

「いや、用事が入るかもしれないんでっ。
 用事が入るかもしれないんでっ」
となんの話だか騒いでいた。

 日曜用事って、駿佑とのデートかな。

 デートが入るかもしれないと思って、日曜は空けてるのかな?

 ふーん。
 見合いでもラブラブになったりするんだ。

 まあ、社内恋愛と変わらないもんね、と思いながら、雁夜は笑っている万千湖の白い小さな顔を見る。

「意外となんの思い入れもない奴がさらってったりするもんだよね~。
 僕、昔、ちょっと好きだったんだけどな」
と小さく呟いた。