「ゲストルームはこちらになります」

リシさんに案内された部屋は、私が住んでいるマンションの部屋の三つ分ほどはあるであろう広くて、白くておしゃれなバルコニーがある。大人二人は余裕で眠れそうな大きなベッドや、アンティーク調の高級そうなソファを見て、汚さないようにしようと心に決めた。

「今日はゆっくり休んでください。何かありましたら、このベルを鳴らして使用人を呼んでください。全員、日本語が話せます。夜間は海賊などが外を彷徨いていることがあるので外に出ないでくださいね」

「えっ、海賊!?」

頭の中に、某少年漫画が浮かぶ。海賊なんて漫画やアニメの世界でしかないと思っていたんだけど……。

「アニメの海賊は気さくで親しみやすい性格で描かれていますが、本当の海賊は冷酷で無慈悲です。梨花さんなんて簡単に捕まって、あっという間にどこか遠い国に売られてしまいますよ。彼らはそういった違法行為で金儲けをしているんですから」

「ひっ……!」