Loves only you

「確かにあの時、なにも言わなかった俺も悪かったから、この際、はっきり言っておくが、俺はお前が優美先生の娘だから好きになったんじゃない。好きになった女が優美先生の娘だったんだ。俺が言いたいこと、わかってくれるよな?」


両肩を掴み、まるで言い聞かせるように、真っすぐに自分を見つめる恋人の顔を少し見た友紀は、コクンと1つ頷いた。


「よし。」


友紀の仕種に嬉しそうに顔をほころばせた雅也は、友紀の頭をポンポンとする。


「あ、私、これ好き。」


思わず口走った友紀に


「陽葵もこれやってやると喜ぶ。」


と雅也。


「むぅ、私と陽葵ちゃんを一緒にしないで。」


むくれる友紀に


「そういうところも陽葵そっくりだ。」


追い打ちを掛けて、雅也は笑う。


「意地悪、知らない!」


と言って横を向く恋人に


「わかったよ、ごめん。謝るから機嫌直せよ。」


と言うと


「うん。」


友紀は一転、満面の笑みを見せる。


「敵わねぇな・・・。」


「えっ?」


「こうやって俺は、これからもずっと友紀に手玉に取られっ放しなんだろうな・・・。」


そう言って、嘆くそぶりを見せる雅也に


「嫌?」


上目遣いで尋ねる友紀。


「嫌なわけ、ないだろ。」


即答する雅也。


「よかった。私は絶対にマ-くんの側を離れない、だから・・・マ-くんも私の側から絶対に離れないでね。」


そう言って、雅也を見上げる。


「ずっと、ずっと一緒にいようね、マ-くん。」


「ああ。」


友紀の目を真っすぐに見て、雅也は頷いた。


その返事に、心から嬉しそうな笑顔を浮かべた友紀は


「行こう。」


そう言って、そっと甘えるように恋人の腕を取ると、幸せそうに寄り添った。



[END]