「もう、大変だったんだから……」
学校の最寄り駅に着き、すぐに出会えた友香ちゃんに今朝の出来事の愚痴をこぼす。
「さすが健斗お兄さんね」
長い付き合いで健兄の性格を熟知している友香ちゃんは、大きく頷いて共感してくれた。
「でも私だって本当に心配したんだからね!倒れたって聞いて保健室に行ったら天地もいるし、瑠莉は全然起きないし……」
「心配かけちゃってごめんね?でももう大丈夫だから」
友香ちゃんがすごく心配してくれていたのは、琥珀くんから聞いたから知っている。
私の不注意で倒れちゃったのに、こんなに心配をかけてしまって申し訳なく思う。
もっとしっかりしないとね。
学校に着いたら中野くんにも謝っておかないと。
きっと普通に声をかけてくれただけなのに突然目の前で倒れちゃってびっくりしたと思うし。
あと、琥珀くんにも。
改めて助けてくれたお礼を伝えたい。
昨日はちゃんとお礼を伝える前に、琥珀くんが帰ってしまったから。