「そうだ。今お家の方に連絡したら、これからお兄さんが来てくれるそうよ。それまでゆっくり休んでてね」


「わかりました。ありがとうございます」



軽く頭を下げてお礼を伝えた。


何があったのか聞いてこないのは、琥珀くんから聞いたからだろうか。


琥珀くんも薄々気がついていたから、それとなく伝えてくれて、事情を知っていた先生はすぐに理解してくれたんだろう。


私の予想通り、健兄が来てくれるみたい。


ここからだと家からお母さんが来てくれるよりも、大学にいれば健兄の方が近いから。


こんなことがあったって知ったらまた心配させてしまうかな。


過度な心配症だから、きっとそう。


せっかく妹離れしてもらえたかなって思ったんだけど……


また大丈夫だって説得するしかないのかもしれない。


また不安がないかと言われたらなんとも言えないけれど、本当に大丈夫な気がするんだ。


さっき琥珀くんが言ってくれた“なんかあったら連絡して。すぐ助けに行く”って言う言葉。


まるでお守りのようで、私に前に進む力をくれているような気がした。