中学3年の頃、夏休み中に買ったばかりの浴衣を着て、友香ちゃんと夏祭りに遊びに行っていた。


受験勉強ばかりやっていては心が病んでしまうからと、お母さんにも許可をもらって、気晴らしがてらその日は思いっきり楽しんだ。


事件が起きたのは、その夏祭りの帰り道。


友香ちゃんは夏祭りに行ってからそのままその日はおばあちゃんの家へと帰ることになっていた。


いつもなら家も同じ最寄り駅のため、一緒に帰るはずだったのだけれど、その日だけはバラバラだった。


友香ちゃんは電車には乗らず、お祭り会場の最寄り駅の改札前で「また休み明けに」と別れていた。


1人で乗る電車。


別に珍しくなんかない。


1人で出かけることだって何度もあったんだから。


花火が終わってちょうど帰る人が多かったのか、電車の中は満員で、座る場所もなくドアの近くで立って乗っていた私。


降りる駅まであと2つ。


そんなところで私は違和感を感じた。