「き、きっと大丈夫だよ……」



不良というとイメージは、サボりがちで学校には行かずに白昼堂々、遊び歩いているような。


だから、教室出会うことなんて滅多にないはず。


そんな推測をしてそう答えたものの、私の手は小刻みに震えている。


1年生の時はクラスも違って会って話すことなんてなくて、遠くから姿を見たことがあるくらいから、噂ばかり耳に入ってきて恐怖心だけが大きくなっていた。



「私は瑠莉のこと心配してるのよ?だって瑠莉、男の人ただでさえ苦手なんだから」



ガシッと私の両肩を掴んで、真っ直ぐに私の目を見る友香ちゃん。


そう、実をいうと私は男性恐怖症だ。


話す時には異性の相手の目を見ることができないし、触れられたり近づかれると体が震えて止まらなくなる。


酷い時は、呼吸が浅くなって息苦しくなることもあった。


こうして今、学校に来ることはできているけれど、男の子が近くに来ると無意識に体を避けてしまう。


こうなってしまったのも、2年前の出来事のせいだ。