「これから範囲表配るぞ〜」



1日がおわり、帰りのホームルームの時間。


なぜか張り切っている先生と、いやいや配られたプリントを受け取る生徒。


テンションの差が激しく、真逆の反応だ。


私だってこのプリントをもらっても嬉しくない。


プリントの初めには太文字の目立つフォントで“定期テスト出題範囲”と書かれている。


これが配られるということは、あと2週間後にテストがあるということ。



「2年生は中だるみする傾向があるからな、自分の将来のためにしっかり勉強してテストに臨むように」



先生はそういうものの、クラスメイトからはブーイングの声が上がる。



「テスト勉強とかめんどくせぇー」


「先生!今回のテスト範囲もっと狭くしてくれませんか?それか簡単にして!」


「それは無理なお願いだな」


「えー、先生の意地悪」


「その代わり、とびっきり特別なスペシャル問題用意しとくからな!楽しみにしとけよ〜」



とびっきり特別なスペシャル問題……


そう口にした先生はとても意地悪で悪魔のような笑顔を浮かべていた。