「ほら、あったあった!」



足が重くなかなか前に進まない私の手を引く友香ちゃんに連れられて、クラス表の前まで来てしまった。


これから新しいクラスの教室へ行かなければいけないのだから、自分のクラスの確認を先延ばしにすることはできるわけがないんだけど。


最悪の場合の現実が受け入れられそうになくて、なかなか顔を上げられない。



「あっ、名前みっーけ」



そんな私をよそに、友香ちゃんはクラス表を見て指をさしていた。


不安すぎて見られない私は、代わりに教えてもらおうと友香ちゃんに問いかける。



「ど、どうだった?」


「それはちゃんと自分の目で見てみなよ!」



私の名前は“あ”から始まるため、出席番号は必ずと言っていいほど1番。


女子の中でトップに出てくるのだから、私が何組かなんてもう知っているはずだ。


それなのに焦らして教えてくれないなんて、意地悪だよ友香ちゃん。



「うっ……わ、わかったよ」



いつまでもこうしてはいられない。


私たちの後ろにも自分のクラスを確かめようと待っている人たちもいる。


意を決して、顔を上げた。