一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを




出ていくタイミングを見失って、遠くからハーレム状態の健兄をただただ見つめる。



「早く行かないともっと人だかりできちゃうよ?」


「うーん、わかってはいるんだけど……」


「ほら、私もそこまで一緒に行ってあげるから、ね?」



友香ちゃんに諭されて、やっと動き始める。


学校を出て校門前まで行くと、人だかりの中からこんな背の低い私をどうやって見つけたのかびっくりするくらいすぐに反応して、こちらに手を振る健兄がいた。



「瑠莉愛が強いね」


「あはは……」



同じくびっくりしている友香ちゃんも半笑いで、私も苦笑いするしかなかった。



「おかえり、瑠莉」


「た、ただいま」



周りから注目を浴びていて恥ずかしい。


同じ学年の子や上の学年の子は、去年から私たちの関係を知っている人が多いから何も言わずに解散していくけれど、新入生たちはイケメンと話しているのは誰なのかとザワついていた。


だから、出ていくの嫌だったのに。


健兄のことは好きだけれど、それとこれとは別問題だ。