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「お母さん、ただいま」
ガチャッとドアを開いて、いつものように呼びかける。
するとお母さんがいつものように迎え出てくれた。
「あら、お兄ちゃんにお客さん?」
健兄の姿の他に見覚えのない人がひとり。
「あっ、もしかしてお話してた彼氏くんね?初めまして、瑠莉の母です」
お母さんの勘は鋭い。
すぐに琥珀くんが私の彼氏だと言い当てた。
お母さんは嬉しそうにニコニコと笑っている。
「初めまして、天地 琥珀です」
「え、母さんも知ってたのか?」
琥珀くんが丁寧に挨拶をしてくれて、ホッと一安心。
そんな中、納得のいっていない人が1人。
「お兄ちゃんには秘密にしてたのよ。知ってたら反対したでしょう?」
「そうかもしれないけど……酷くないか?なぁ、瑠莉」
「突然殴りかかった健兄だもん、言えないよ……」
「いや、悪かったって」
健兄は反省しているようだから許してあげる。



