「琥珀くん、もし良ければこのまま家に寄っていって?その傷の手当てがしたい。……それくらいいいでしょ?健兄」
「そうだな、元はこっちが悪いしな……」
「そんな別にいいよ、こんくらい」
傷口をペロリと舐める琥珀くん。
やっぱりすごく痛そう。
「ダメだよ、ちゃんと手当しないと!ほら、ね、私にやらせて?」
「……っ、わかったよ」
必死にお願いすると琥珀くんは折れてくれた。
ここから家はすぐそこ。
今日はお母さんも仕事が休みだと言っていたはずだから家にいるだろうか。
お母さんは私に彼氏ができたことを知っているけれど会わせるのは初めて。
琥珀くんの方が緊張するはずなのに、私が緊張してしまう。
ちょっぴり異様な雰囲気のまま私と琥珀くんと健兄の3人で家に帰ることになった。



