「もちろんです。その覚悟の上で交際を申し込みました。瑠莉もわかってくれているはずです」
健兄に「そうなのか?」と聞かれ、大きく頷いた。
「琥珀くんは私のトクベツなの。琥珀くんとなら怖くない。何度も琥珀くんは私のことを助けてくれたの。とても感謝してる。私も琥珀くんのことが好きなの」
そう言うと、隣にいた琥珀くんが私の背中に腕を回してくれた。
「こう言ってくれた彼女を話したくはありません」
そう言ってギュッと抱き寄せてくれる。
そんな琥珀くんを愛おしく思う。
私はやっぱり琥珀くんのことが大好きだ。
「そっか……瑠莉も変わったんだな。瑠莉が信頼しているならいいんじゃないか」
そう言う健兄は、どこか寂しそうな表情を見せた。
本当にお父さんみたいなんだから。
でも、だからといって突然手を出すなんて……
「健兄、ちゃんと謝って」
「あぁ……さっきは突然殴りかかって悪かった。瑠莉が襲われているのかと思ってつい……」
「いえ、誤解を招くようなことをした俺も悪いので」
琥珀くんは悪くなんかないのに。
とりあえず仲直りはできただろうか。
それならいいのだけれど。



