「健兄最低!琥珀くんにも怪我させて……ちゃんと謝って」
「お、俺は瑠莉のことが心配で!」
「謝る方が先でしょ!?」
健兄の過保護は時にやりすぎる。
そこが健兄の良くないところ。
「本当にお前は瑠莉の彼氏なのか?」
「はい、そうです」
こんな礼儀正しい琥珀くんは見たことない。
私の実の兄だからか、真摯に向き合ってくれている。
「お前は瑠莉がどんな状態なのかわかっているのか?」
「男の人が苦手なことですか?それならわかった上で付き合っています」
鋭い視線を送る健兄に対して、真面目に返してくれる琥珀くん。
本当に申し訳ない気持ちになるけれど、バチバチとしている2人の間に入る勇気がでなかった。
「お前は瑠莉のことを守る自信があるのか?」
まるでお父さんのような健兄。
それもそう。
今はいない父親の代わりに、自分が父親のように振舞ってくれていた健兄。
そこはとても感謝している。



