「ご挨拶遅れました。瑠莉とお付き合いさせていただいている天地 琥珀です」
琥珀くんは見た目と反して、とても礼儀正しく挨拶をしてくれた。
誤解だったとはいえ、突然殴りかかってきた相手なのに。
「本当に瑠莉と付き合ってるのか……?」
健兄はまだ理解が追いついていないようだった。
「はい」
「そうだよ、本当だよ」
私が言っても納得がいっていない様子。
それにしてもなんでこんな所に健兄が……
大学はこっちの方じゃないし、会うはずがないところなのに。
「なんで健兄がここにいるの?」
「そ、それは……」
私が問うと、何故か口篭る健兄。
「まさか……ストーカーしてたの?」
こんな所に来るなんて、わざわざ来たとしか思えない。
「ストーカーなんてそんなこと!」
この慌て具合は図星だ。



