「こ、琥珀くん、大丈夫?」
「あぁ……」
片手をついて起き上がる琥珀くん。
唇の傷がとっても痛そうだ。
「瑠莉、離れろ!」
「ちょっ、健兄!!」
琥珀くんに寄り添おうとした矢先、健兄に手を引かれて抱き寄せられる。
「大丈夫か、瑠莉!怖かったよなぁ……もっと早く来たら良かった」
「健兄?何言って……」
「大切な瑠莉に手を出すなんて、どうなるかわかってるんだろうな」
琥珀くんに敵意むき出しの健兄。
これは完全に誤解をされている。
「違うの、健兄!」
「違うって何が違うんだ。こいつは可愛い瑠莉のことを追い詰めていじめていただろう?可哀想に……」
「だから、それが違うの!」
ダメだ……全然私の話を聞いてくれない。
完全に頭に血が上っていてお怒りだ。
早く誤解を解かないと。



