一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを




「ねぇ、聞いた?今日も校門前にイケメンが来てるらしいよ?」


「本当!?早く見に行こ!」



廊下が徐々にざわざわし始める。



「あら、もう来てくれてるみたいだね、健斗お兄さん」



何かを察して窓の外を見る友香ちゃん。


窓に近づいて見れば、校門前に人だかりができている。



「出て行きにくいなぁ……」



これも私が“お兄ちゃん離れ”をしたいと思っている理由のひとつ。


健兄は私とは違ってスラッとした高身長で、おまけに顔立ちも良くてイケメン。


妹の私でもそう思ってしまうくらい。


だから、こうして顔を出すと瞬く間に女の子に囲まれてしまう。


私が健兄と登下校することで、一体何人の女の子たちに付き合っているのかと勘違いされたことか。


健兄は悪い虫が寄り付かなくていいとかなんとか訳のわからないことを言っていたけれど、その度に私たちは兄妹だと、付き合っているわけじゃないと訂正を入れるのにどれだけ苦労したことか。


そのこと、全然理解してくれないんだから。