2、3組並んでいたけれど、その後ろにしっかり並んで、琥珀くんがクロッフルを買ってくれた。
自分で払うよと言ったのだけど、俺が払うの一点張りで、お言葉に甘えてご馳走してもらうことにした。
一番人気のキャラメルがかかったクロッフル。
「いただきますっ」
近くのベンチに腰をかけて、一口。
「んー、美味しいっ」
初めて食べたけれど、こんな美味しいものだったなんて。
もっと早く食べるべきだった。
「そんなに美味しいか?」
「うん、とっても」
「じゃあ一口ちょうだい」
そう言って琥珀くんは、私の手の中にあるクロッフルをパクリ。
これって関節キスじゃ……
そんなことを気にして恥ずかしくなってるのは私だけらしい。
「甘っ」
そういえば琥珀くんは甘いの苦手なんだっけ。
「でも上手いなこれ」
「でしょ?」
どうやら甘いものが苦手な琥珀くんにもお気に召したらしい。
それはよかった。



