「琥珀くん……?」
やばい……琥珀くんとはぐれてしまった。
はぐれたら困るから離れるなって言われてたのに。
スマホを鳴らしてもこの人混みじゃ音も聞こえなさそう。
……どうしよう。
ひとりぼっちになり、一気に不安が押し寄せる。
琥珀くん、琥珀くんっ。
どこにいるの?
私はここだよ。
きっと琥珀くんはこっちの方に行ったはず。
痛い足を引きずりながら、琥珀くんが通ったであろう道を行く。
「琥珀くん」
震える声で名前を呼ぶけれど、かき消されてしまって聞こえない。
「おいっ!」
後ろから誰かに腕を引かれた。
大きな手に体が硬直する。
誰っ?
私に触らないでっ。
怖い……
怖いよ、琥珀くん。



