「おい、何やってんだよ!」
こ、琥珀くんっ……
琥珀くんはヒーローなんだろうか。
私が困っている時、何故か毎回助けに来てくれる。
「何って見ればわかるしょ?瑠莉ちゃんに告白してんの。天地には関係ないだろ?」
この人は本当に遠藤くんなんだろうか。
もっと優しい人だと思っていたのに、とても怖い。
「告白だ?じゃあなんで瑠莉が怖がってんだよ。お前、瑠莉に何した?」
別に酷いことはされていない。
ただ、雰囲気がいつもと違う遠藤くんが怖くて、触れられていることに恐怖を感じているだけ。
「まずその手、話せよ」
琥珀は私の元へとやって来て、肩に乗せられていた遠藤くんの手を振り払ってくれた。
緊張が解けて、膝から崩れ落ちるように地べたに座り込んだ。
目からは涙がこぼれ落ちる。
怖かった。
本当に本当に、怖かった。