「咲姫、もっと俺に甘えて?」

「咲姫がかわいいから、溺愛してもしたりない」

「好きすぎて、やばいんだけど」


2人きりの部屋では、とびっきり甘くなる。


そんなクールとスウィートな2つの顔を持つ千隼くんに、わたしは戸惑いつつも、もっともっと好きになっていく。



そして、新しい年になり、3学期もこの前始まったところの…1月14日。


わたしは、ベッドの中で寝込んでいた。


夜中から寒気がするなとは思っていたけど、朝起きて体温を計ったら、38.7度。


どうやら、風邪を引いてしまったみたいだ。



「咲姫、今日はおとなしく寝てろよ」


千隼くんはわたしの頭を優しく撫でると、マフラーを巻いて部屋を出ていった。


わたしだって、風邪を引くときもある。

それは仕方のないこと。