名前は、ヒロトくん。

目がクリックリでかわいい顔をしていて、人懐っこくて、まるで弟みたいな感じ。


歳を聞いたら、わたしの1つ下だった。


昨日ぶつかったときは、こわい人たちだと思っていたけど、引っ越し作業を通して話してみたら、みんないい人たちばかりだった。


黒髪の人が千隼くんだとわかって、イメージも一変。


無口でクールなところは変わらずだけど、小学生の頃は、いじめっ子からわたしを守ってくれる優しい人だった。


そんな千隼くんが総長を務める暴走族なんだから、そこに集まる人の人柄のよさがわかる。



「ごちそうさまでした〜!」

「またきまーす!」


晩ごはんを食べ終わると、みんなは帰る準備を始めた。


「咲姫。明日から出かけるときは、必ず俺に連絡して」

「う、うん」

「これ、俺の連絡先だから」