イケメン総長は、姫を一途に護りたい

裸のカオルくんが間近にきて、思わず顔が真っ赤になる。


こんなこと、いけないはずなのにっ…。


――と思ったけど。


…あれ?

なにかが違う。



さっきドアを開けて鉢合わせしたときは、鎖骨から上のカオルくんの顔しか見なかった。

大浴場に入ってきたときも、所々が湯気で隠れて、全身は見えてなかったけど…。


そばにきて、初めて気がついた。


カオルくんの体…、わたしと同じだ。


「もしかして、カオルくんって…」

「ああ。オレは、女だ」



そのあと、気づけばわたしとカオルくんは、隣同士で湯船に浸かっていた。


まさか、カオルくんが実は女の子だったということには驚き。

本来なら、『カオルちゃん』と呼んだほうがいいのかもしれない。


でも、本人はそれが嫌みたいで。

この学校では、“男の子”として過ごしているんだそう。