イケメン総長は、姫を一途に護りたい

ため息をつく、千隼くん。


「上に、なにか羽織るものないの?」

「羽織るもの?」

「そう。…気になるんだけど。その…肩が見えてるのが」


姿見に映る自分に目を移す。


このワンピースは、肩の部分に切り込みが入っていて、肩がチラ見せになるデザイン。

「それがかわいいね」って、お母さんが言ってくれたんだけど…。


「この服、…変だったかな」

「そんなことないよ。むしろ、咲姫に似合ってる」

「でも…。さっき『気になる』って…」

「それはっ…!」


そう言いかけて、口ごもる千隼くん。

なにか言いづらそうな表情だ。


「…気になるっていうのは、肩が見えた服を着た咲姫を見る、他の男の視線が気になるってわけで…」


…他の男の子の視線?


確かに感じてはいたけど、その原因は、わたしの服のデザインにあったの…?