こんな溺愛,ありですか?

いつ恋心に変わったのかなんて分からなかったけれど,取り敢えず俺は進学して,免許受かって。

まぁ昔からの知り合いで,しかも静香の高校生期間なんてたかが3年で。

教師とは言え関係ないと開き直っていた。

本命の影なんて少しもなかった静香に,少しだけタカもくくっていて。

結果的に,静香はまた,俺の気持ちに気付かないまま。

よく分からないところから,誰も思わないノーマークのやつを見つけ出してきて。

そのままそいつのものになった。

そして,楽しそうに,幸せそうに俺の前で笑う。

仕方ねーな。

何もかもそう思わざるを得なかった。

お前の言葉をきっかけに,ガラでもない教師を選んだのは俺だ。

俺は,教員だから。

兄貴のまま,見守るだけに留めてやるよ。

触れた頭は小さくて,だけど,昔よりずっと高い位置にあって。

一丁前に怒って,笑って,言い返して。

そういう対象にしてる時点で,分かっていたはずなのに。

いつの間にか,でかくなっていやがった。

勝手に兄離れして,拐われて,ついていく。



『じゃあな』



……今度は俺の番かよ。



『先生。……おめでと』



まぁ,思ったよりは悪くねぇ。



『……え"。辰馬くん教師になったの?!? 似合う!! でもなんで? 教師目指してたなんて知らなかった!! 教えてくれればよかったのに……!!』



素直に自分のことのように喜んで。



『えー今年からうちの学校来るの? えへへ,2年生,もしかしたら同じクラスかも??!』



お前は自分の言葉なんてすっかり忘れてたけど。




「はーーーー。くそ,今日は早く寝てぇのに。9時帰りかよ。なんで教師なんかになっちまったんだか」



これになるためだけに時間をかけすぎた。

それはなった今でも変わらない。



『辰馬くんが学校の先生なんて,ちょっと格好いいよね!!!!!』



あの顔だけは,一生俺のもの。

そう思えば,多少気分がよくなった。





               ーFin