『前々から友達と約束があったのよ~。静香も知ってるでしょ? でもここ最近の静香見てると不安だから,優くんにお願いしたの』
なんとあのパン屋さんは,密かにお母さんも通っていたらしく。
尚更信用できるからと,勝手に話を進めてしまったらしい。
「たっ辰馬くんでも良かったでしょ?! お母さん」
山宮くんを後ろめに,小声でひそひそと訴える。
山宮くんと2人きりで家を任されるくらいなら,辰馬くんとの方がずっといい。
『なぁに言ってるの! 辰馬くんだって働いてるのよ? そんなこと任せられないじゃない。だって教師なんて,夜遅いって言うじゃない』
それじゃあ意味がないと,電話越しでも頭を振っているのが分かった。
『じゃ,迷惑掛けないよーに。冷蔵庫にお寿司あるからね』
そう言って,お母さんは電話を……
切って,しまった。
ツーっといった機械音。
うっ……そー。



