そんなこんなで放課後になる……と。
「帰ろう」
山宮くんは私の前に来て,そんなことを言った。
何だかいつもと違ったニュアンスに首をかしげる。
そのまま一緒に歩けば,山宮くんは何故か真知さんのパン屋さんの方には行かず,私の横から離れなかった。
「……? あの,送ってとかは大丈」
「ぇ,しーちゃん聞いてないの?」
聞いてないって,何を?
「お母さん,泊まりで出掛けるからって。様子見てるように頼まれてるんだけど」
かぱっと広げた鞄の中は,勉強道具,ではなく。
見るからな,簡易お泊まりセット。
「っえぇ?!」
取り敢えず家に帰って,私はお母さんに電話を掛けた。



