こんな溺愛,ありですか?

「私ね,ちょっと悩みがあったの。山宮くんにはまだ言えないけど,今回のこともそっちのことで考えすぎただけだから」



ほんとだよ? と顔を覗き込めば,山宮くんも納得したように頷く。



「今度は絶対に,守るから。取り零さない」



守る,なんて王子さまみたいだね。

山宮くんの口からそんな言葉がでるなんて思わなかった。

思わず笑みがこぼれる。

久しぶりにぐっすり眠ったからかもしれない……あれを眠ったのかといえるのかは置いといて。

山宮くんにいわれて,2人ならんで帰路につく。

断るのは不自然だし,今日だけなら……と思ったから。

もう外も暗い。

家もそう遠くはないし,もしかしたらいないかもしれないから。