こんな溺愛,ありですか?

パチッと目を開けたとき,そこがどこか分からない。

天井の電気の眩しさに,私は目を細めた。

隣から大きな音が聞こえる。

そう,まるで誰かが立ち上がったみたいな。



「しーちゃん!」

「……山宮くん? どうしたの?」



私が驚きに目を丸くすると,山宮くんは風船の空気が抜けるみたいな声を出しながら椅子に座った。

椅子がゴトッと音を立てる。

ここ,保健室?



「しーちゃん倒れたんだよ,俺の前で。ストレスと睡眠不足だって。ごめんね」



山宮くんは泣きそうな顔でうなだれる。



「なんで山宮くんが謝るの?」



ただ,純粋な疑問だった。

首をかしげると,山宮くんはさらに痛そうな顔をする。



「大っぴらに牽制したらもっと良くないと思って,しーちゃんの提案を受け入れた後,花沢と担任の手借りながら残党がりしてた」



だけど……と山宮くんは続けた。



「思ったより多くて,時間がかかって……間に合わなかった」