こんな溺愛,ありですか?

「安心して,声には出てないから」



山宮くんはそろそろと顔をあげた私を見て,目を細める。

は,てなんだろう。

? と考えながら,私は時間をかけてパンを食べ終えた。



「俺が思ったのと,しーちゃんの顔に書いてあっただけ」



授業中みたいにずっと私を見ていたらしい山宮くんは私をじっと見つめて言う。

それに反応して,私は硬直した。

思わずほっぺに手を当てる。

なんで考えてること分かるの!?
顔? そんな…



「でもさ,ほんとそうじゃない? 俺と俺の部屋で2人きりで,半分こなんて」



すっと山宮くんの方手が私に近づいて,私の頬を撫でる。



「~っあの!? その,距離感ってのは,とても,大事だと思います!」



だって明らかにこんなのおかしいし,それに,それに!



「他の女の子だったら勘違いしちゃうと思います!」