「あっ」



山宮くんの不機嫌そうな顔に狼狽えるのは目の前の彼女。

起きているなんて思わなかったのかもしれない。

でも基本,山宮くんは実は起きている。

うつ伏せているだけで授業も聞いていると言っていた。



「俺が誘った。分かる? 付き合うとか付き合わないとかじゃない。普通に迷惑なんだけど」



山宮くんの冷めた声に,教室がざわめく。

まさか静香さんが? なんて声も聞こえて,たまったもんじゃない。

どうしてすぐそういう方向に話が飛ぶのか。

普通に仲良くしちゃだめなの?



「あと写真ってなに? もしかして盗撮ってことば知らない? なら仕方ないけど,早く消して。他の人にもちゃんと言っておいてね? じゃないと学校側に報告するから」