こんな溺愛,ありですか?

タイミングが良すぎて,声に出しちゃったのかと思った。

私の瞳を捕らえて離さない黒目はやっぱりかっこよく写って,どこか妖艶だった。



「じゅっ授業中だよ! もう私語はおしまい!」

「うん,いいよ。頑張ってね」



山宮くんもやれば良いのに。

やっぱり山宮くんは私を観察している。

山宮くんは学力で学年トップ10に入っているって,噂で聞いたことがあった。

だから絶対,やろうと思えばもっと上も目指せると思う。

考えていると,とんとんと指先をつつかれる。



「なに?」

「手,止まってるけど?」

「えっあっ良いでしょっ別に!」

「ふーん。俺のこと,考えてたでしょ」



そうだけど,別に普通の事だし……

山宮くんがやけに上機嫌で,言い返せない。