こんな溺愛,ありですか?

昨日だって,ペースを私に合わせてくれてたの,気づいてたから。



「えーっ。もう! 山宮くんに予定あるときにでも一緒に帰ろうね! しーちゃん!」

「えっ,明日は?」



そんな,毎日一緒な訳じゃないと思う……のに。

なっちゃんの言葉が,妙に引っ掛かる。



「明日もだめ。明後日もだめだし,もっと言うと毎日だめ」



どうしてもって言うなら譲歩しても良いけど。

そんなことを山宮くんが言って,なっちゃんはうんうんと頷いている。



「しーちゃんも,用事ないなら良いんじゃない? 一緒に帰るだけだし,寂しくないし」



私だって嫌な訳じゃないけど。



「私,面白い話とかできないし,多分雑用で山宮さん待たせちゃう」

「いいよ,なにも話さなくても。雑用も手伝う。それなら早く帰れるでしょ? あと,いつまで俺は“山宮さん”なわけ?」