アメリカから出られない!

「オーウェン、私じゃなくて他の女の子にあげた方がいいと思うよ?私、そんな綺麗なネックレスなんて似合わないだろうし」

「綾音は俺からのプレゼント、嬉しくないの?」

シュン、という効果音がつきそうなほどオーウェンは悲しげな表情を見せる。まるで叱られた子犬みたいだ。そんな顔されたら、これ以上何も言えなくなってしまう。

「……ありがとう。大事にするね」

私がそう言うと、オーウェンは一気に明るい表情になり、「つけてあげる!」と私の背後に回る。

首元にひんやりとしたネックレスのチェーンと、温かいオーウェンの指先が触れる。

「あれ?うまくつけられない……」

ネックレスをつけてあげるのは初めてみたいだ。私は「ゆっくりでいいよ」と言い、指先が触れるくすぐったさを感じながら、ジッと待つ。きっとネックレスをくれたのは、好きな子にスムーズにつけてあげるための練習台だったんだよね。

「つけれたよ。よく似合ってる」