アメリカから出られない！

私がそう言うと、オーウェンが「お金返してもらったら奢るって言わないだろ！」と言いながら笑う。

「だって……なんか奢られるって慣れてなくて……」

姉という立場のため、弟たちに奢ることはあるが、奢ってもらうことは友達にすらしてもらったことがない。そのため、奢られると胸がモヤッと不思議な感覚がするのだ。

「俺が誘ったんだから、俺が払って当然なの！」

朝とは真逆に、私がオーウェンに頭を撫でられる。オーウェンは私よりずっと背が高く、その手も歳下だというのに大きい。やっぱり男の子なんだな……。

たくさんのお店が並ぶ通りを二人で歩いているのだが、「ちょっと待って」と言いオーウェンが足を止める。

「どうしたの？」

「そこのお店、見たい」

オーウェンが指差したのは、女性向けのアクセサリーショップだ。もしかしたら、学校に気になる女の子がいてその子へのプレゼントなのかもしれない。

「いいよ！見てこっか」