私は胸元で揺れるネックレスをオーウェンに見せる。すると、無表情だったオーウェンは少しだけ笑みを見せ、「最後に二人でドライブに行こうよ」と言い、私の手を掴む。

私もオーウェンのわがままを聞いてあげたいと思ったので、立ち上がって付いて行く。

オーウェンの愛車である赤い車に乗り、夜になり始めた街を走って行く。

「このアメリカの街も見られなくなるんだね〜。寂しいな」

「またアメリカに来てよ。今度はさ、綾音が行ってみたいって言ってたディズニーとか案内したいし」

「そうだね!あっ、ディズニーもいいけどユニバも行ってみたいかも」

「どっちでも案内するよ!ていうか、どっちも行こう?」

そんなことを話しながら、車は山道を走って行く。山道をしばらく走ると、街を見渡せる場所にやって来た。車を降り、二人で煌めく街を見つめる。

「……ねえ、綾音」

しばらく無言で街を見ていたんだけど、不意にオーウェンに話しかけられる。横にいるオーウェンを見た時、彼は、いつになく真面目な顔をしていた。