~TERRA~

花火会場へ向かおうとしたラブを、出張から帰った赤倉が呼び止めた。

「ラブさん。無事に復帰されて嬉しいです」

「赤倉さん。ありがとう。丁度良かったわ。お願いした件はどうだったかな?」



身柄拘束され、テラを出る時のこと。

抱きしめてくれた赤倉に、ラブは一つお願いをしたのであった。

『あなたの彼女に、私がいない間に、ここに来た怪しい人を全て記録する様に伝えてください』と。


彼の彼女は、テラの受付嬢であった。
ラブの役に立てるなら、何でも従う仲間たちである。


「ああ、特に怪しいって人はいませんでしたよ。いつもと違う来客と言ったら、ロシア官房長官がお見えになったくらいですね」

「そう・・・。そっか、ありがとう。また今度、お礼するから、彼女にヨロシクね」

そこへ、アイが割り込む。


(ラブ様、アメリカ海軍からの緊急通信です)

(分かったわ)

「じゃあ、赤倉さん、またね~。花火、楽しんで!」

そう言って、急ぎ足で、エレベータへ向かう。



~地下極秘エリア~

ラブが入ってくる。

「アイ、つないで」

アイが、メインパネルに切り替える。

「ラブちゃん、元気かい」

「おじいちゃん⁉️」

アメリカ海軍、アボット隊長のヒゲが微笑んでいた。

「やっぱり、そこにいたのね」

「ああそうじゃ。おまえが捕まった時は、ライオネルで突撃してやろうかと思ったぞ」

「おじいいちゃんの空母って、陸も走れるの?ハハ。でもありがとう」

ラブに久しぶりの笑顔が見えた。