「将軍⁉️」

ミゲルが叫ぶ。

「静かにしろ❗️」


闇に包まれた部屋では、まだ所々から、火花が光っている。

次第に静まり返って行く中・・・

「ヴォ・・・ヴォーーン・・・」

大地が蠢く様な音。

遺跡が・・・動き始めた。




~別室~

その音に、ヴェロニカの意識が戻った。


(あの音は・・・まさか⁉️)


誘拐された彼女は、潜水艦シャロンで、この遺跡へと連れて来られた。

ヴェロニカは考古学が専門であり、ロシアのエネルギー開発にも加担してはいたが、施設にいた本当の目的は、ヴァロン遺跡の調査であった。

『壁』に刻まれた文字を解読しかけた頃、エネルギー生命体ジーグによる、破壊工作が起こったのである。

誘拐の目的は、彼女の頭脳に展開された、遺跡の謎であった。

自白剤を打たれた彼女は、その秘密を全て明らかにしてしまったのである。

「ヴェロニカさん」

爆発騒ぎの隙に、制御ルームを抜け出したカイザル博士が駆け寄る。

「あの、壁を解除したのでございますね?」

「はい。家族が人質にされていて、仕方なかったのです」

「なんてことを・・・。あれは、この遺跡に眠る『力《ちから》』を封印するために設けられたもの。あの壁にはその警告が書かれていたのよ❗️」


「私も研究する内に、この遺跡・・・いや、『要塞』の持つパワーに気づきました。幸い、そのパワーを開放する為の最後の鍵は、まだありません」

「その鍵は、おそらく・・・」

ヴェロニカがつぶやいた時、そばのテーブルで、『PEACE OF EARTH』が流れ始めた。