悪夢の夜が明けた。

テレビ局は、朝から大騒ぎしている。

その1時間後には、さらに世界中が大騒ぎになる事態が発生するのであった…。



~テラ~

ラブは、珍しく自分の部屋で朝を迎えた。

忌々しい炎が目に焼きついて、一睡もできていなかった。

一晩中、最上階のガラス貼りのベランダで、眼下に広がる街の灯りを眺めていた。

ラブのベッドでは、メイがまだ寝息を立てている。


午前6:00。

ラブの携帯が鳴った。

「はい。ラブです」

無意識に出る。

「もしもし。ラブさん、山本です」

「リサさん?どうしたのこんな朝早くから」

そう応えたラブの脳裏に、再びあの現場の光景がフラッシュバックした。

しかし、山本の話は、その予想を裏切った。

「ラブさん。あなたが危ないの。もうすぐ、あなたの秘密が、世界中に放送されてしまうの❗️」

「私の・・・秘密?」



昨夜、夜中の1:00に現場から局に帰った山本は、局長を始め、局の幹部が勢ぞろいしている場に直面したのである。


「お・・・お疲れさまです。今、帰りました」

そう言った彼女に、全員の目が一斉に向いた。

「山本君、ちょっとこっちへ」

局長が呼んだ。

「確かに…最悪の事態です。あの大都病院が・・・」

しゃべりかけた彼女を、一人の男性が止めた。

駆け出しのスポーツカメラマン、三井 清であった。

「山本先輩、違うんです。これを見てください」


一枚の写真が渡された。

「こ・・・これって・・・ラブ・・・」

そこに写っていたのは、体をよじって、背後のラブを見下ろす巨人、マイク・レイズ。

そして、その背中に手を当てたラブの姿であった。