ほんとに?

けど……



「だいじょば,ない」



これ,さっきも言った気がする。



「すき」



私をぎゅっと抱き締める,類くんの言葉。

熱い息が耳にかかって,くすぐったいけど,安心する。



「ほんとに?」

「うん。ほんと。大好きだよ」



私が冗談みたいに言って,類くんは答えてくれた。

そして,頬をスリ寄せてくる。

可愛い。

肌すべすべだし,普通に羨ましい。



「くすぐったいよ」



お互いにくすくすと笑う。

また,ぎゅっと抱き締めた。

そして真横に顔を置く類くんと目があって,仲直りのキスをする。



「類くん」

「ん?」

「大好き」



私がそういうと,類くんはほんとに? なんて言ってきて。



「それ私の台詞」



なんて私は怒って見せた。



「ごめん。でも,俺のが好きだよ」



私はそんな風に,さらっと嬉しいことを言ってくれる類くんが,今日も大好きだ。