「ううん、別に、なんでもないよ」 慌てて左右に首をふる様子は何かを隠しているようにも見える。 だけど本人が言いたくないものを無理やり聞き出すつもりはなかった。 「そっか」 僕はそれだけ言い、戻ってきた平穏な日々を噛み締めたのだった。